不良率軽減~センターレス材のご提案

材料には、様々特性と機械的性質を持っています。棒材をメーカーが製作する時には、融点の違う物質を固溶させて合金となり、よりよい特性を得る事が出来ております。棒材は、基本的には熱間押出と冷間引抜という加工方法で製作されます。精密加工品には材料の外径精度を要求される為、冷間引抜の材料が選定されます。しかし、加工硬化により材質によっては線膨張係数の関わりで外径が安定しない場合も御座います。

ある御客様より、同一チャージの引抜材なのに外径が安定していない為、加工後に選別で1/4位NGが出るというお話しを頂きました。一瞬疑いましたが、百聞は一見に如かずで実際に丸棒を回しながら測定してみるとお客様の言う通りでした。何とかしたいと思い、メーカーに相談した所「そんな事はない。規格許容差内です。」と言われてしまいました。規格には入っていますがバラツキまでは受入れてもらえませんでした。そこで、加工代は必要ですがセンターレス材を提案致しました。案の定、真円度と寸法精度ともに問題なくお客様に満足して頂きました。外径寸法により異なりますが、許容差5μ程度で仕上がっており、不良率が1%以下になったと喜んで頂く事が出来ました。

今後もお客様のニーズに目を向け、間違いのない材料知識と提案を届けて行きます。